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広告を見た人はブランド名で検索したか。Google広告のブランド検索計測

Google広告の「Branded searches」は、広告を見た人が7日以内にブランド名で検索した回数を数える項目です。対象キャンペーン、出る列、入札に使えない理由と先に決められることを整理します。

広告を見た人はブランド名で検索したか。Google広告のブランド検索計測 - 株式会社セイビー

広告を見た人が、そのあとで自分から会社名や商品名を検索したか。動画広告や発見面の広告の効果を語るとき、長いあいだ「たぶん増えているはず」で済まされてきた部分です。Google広告のヘルプには、この動きを正面から数えるための項目が「Branded searches」という名前で掲載されています。広告を見たユーザーが、そのあとGoogleとYouTubeで自社ブランドについて行った検索の回数を示すコンバージョンの種類だと説明されています。

先に、実務で誤解されやすいところを書きます。この項目は、いまのところ入札には使えません。ヘルプには reporting-only と書かれ、キャンペーンの入札最適化には使えないと明記されています。数字としては見えるが、機械に追いかけさせる目標にはできない、という位置づけです。見えるようになった数字を何に使うのかを、人の側が先に決めておく必要があります。

この記事で扱うのは、Googleの公式ヘルプに書かれている範囲だけです。日本での提供条件、業種ごとの可否、導入した広告主の数や平均的な増加幅は、いずれも記載がありません。確認日は2026年9月8日です。

何が数えられるのか

ヘルプの説明は明確です。Branded searches は、ユーザーが広告を見たあとにGoogleとYouTubeで自社ブランドについて行った検索の回数を示す、コンバージョンの種類です。クリックした人ではなく、見た人が起点になっている点がまず違います。

対象になるキャンペーンは限定されています。ヘルプに挙げられているのはYouTubeキャンペーンとDemand Genキャンペーンの2つです。検索キャンペーンやショッピングキャンペーンは挙げられていません。動画と発見面、つまり人がまだ自分で検索していない段階で見せる広告に絞られている、と読めます。

数える範囲にも区切りがあります。ヘルプには、対象となる広告を見てから7日以内に行われた検索の回数を数えると書かれています。功績の付け方は last click, view-through conversion attribution で、ユーザーが最後に見た広告がその功績を受け取ると説明されています。複数の広告に触れていても、功績が付くのは最後の1つです。

ここまでを整理すると、この項目は「広告に接触した」と「ブランド名で検索した」という2つの出来事を、7日という窓で結びつけたものです。因果を証明するものではありません。同じ期間にテレビCMや店頭の施策が動いていれば、その影響も同じ窓の中に入ります。数える仕組みと、効果を説明する理屈は別のものだと分けて扱う必要があります。

Branded searchesを中心に、対象キャンペーン、数えるもの、対象期間、功績の付け方、表示される列、入札への利用を結んだ関係図
公式ヘルプに書かれている対象・期間・功績の付け方・出力先を、ひとつの図に並べました。因果を示す図ではありません。 出典:Google 広告ヘルプ「Measuring branded searches」(確認日 2026-09-08)
Google 広告ヘルプ「Measuring branded searches」のファーストビュー
引用キャプチャGoogle 広告ヘルプ「Measuring branded searches」。記事で扱っている対象キャンペーン、7日という期間、功績の付け方がここに記載されています。 出典:Google 広告ヘルプ「Measuring branded searches」(公式ヘルプ)(確認日 2026-09-08/表示のファーストビュー)

どの列に出て、どの列に出ないのか

見落とされやすいのが、この数字がどこに出るかです。ヘルプによると、Branded searches は「All conv.」列と「Results」列に表示され、キャンペーン・広告グループ・アセットの各レポートやレポートエディタで確認できます。一方で、「Conversions」列には出ません。この列は入札の最適化に使うコンバージョンのための列だからだと説明されています。

Google広告のコンバージョン計測のヘルプでは、コンバージョンアクションを主要(入札に使う)と副次(観測のみ)のどちらとして設定するかが重要だと書かれています。また、広告を見ただけでクリックしなかった場合のビュースルーのコンバージョンは、能動的な操作をもとに入札を最適化するために「Conversions」列から除かれるとも説明されています。Branded searches がビュースルーの功績の付け方を採っていることと、この扱いは整合しています。

実務での意味は単純です。いま使っているレポートに、この数字は自動では出てきません。「Conversions」列だけを見る運用をしていると、設定しても存在に気づかないまま終わります。逆に、「All conv.」列を成果の合計として社内へ報告している場合は、ブランド検索の回数が購入や問い合わせと同じ列に足し込まれることになります。列の意味を共有しないまま数字だけが増えると、成果が伸びたように見えてしまいます。

ブランド検索と主要コンバージョンを、数えるもの、表示される列、入札での利用、対象キャンペーンの4つの観点で並べた比較表
同じ「コンバージョン」という言葉でも、出る列と入札での扱いが違います。右列には、ヘルプで限定の記載を確認できなかった項目も含みます。 出典:Google 広告ヘルプ「About conversion measurement」(確認日 2026-09-08)

Web広告全体の計測をどう組み立てるかはWeb広告の効果測定で扱っています。列の定義を関係者でそろえる作業は、この項目に限らず必要になります。

使い始める前に必要なもの

ヘルプには、正しく功績を付けるためにbrand mapping(ブランドマッピング)の設定が必要だと書かれています。どの検索語を自社のブランドとみなすかを、あらかじめ対応づけておく作業です。ヘルプでは、この設定について営業担当者と進めるよう案内されています。管理画面で自分だけで完結する設定ではない、ということです。

もう一つ、時間差があります。設定したあと、コンバージョンのページやキャンペーンのレポートに反映されるまで最大で7日かかることがあるとヘルプに書かれています。設定した翌日に数字が出ないことを不具合として扱わないよう、依頼する前に社内で共有しておく必要があります。

「7日以内」という区切りをどう読むか

7日という窓は、短いとも長いとも言えます。短いと感じるのは、動画広告で知った商品をその週のうちに検索するとは限らないからです。検討期間の長い商材では、窓の外で起きた検索は数えられません。この項目が示すのは、ブランド検索の全体ではなく、広告視聴の直後に起きた分だけです。自然検索でのブランド名の動きを代表する数字ではありません。

長いと感じる場面もあります。7日のあいだに複数の接点があれば、そのうちの検索がこの窓に入ります。last click の付け方なので、功績は最後に見た広告に寄ります。キャンペーンごとの数字を「そのキャンペーンが生んだ検索」と読むと、実態より単純になります。配信面が重なっているほど、最後に見た広告が受け取る形になるためです。

そのうえで、この数字が向いている使い方はあります。配信を止めた週と流した週を並べ、ブランド検索の回数がどう動くかを見ることです。ただし、ヘルプに書かれているのは計測の仕様だけで、どう読むべきかは書かれていません。読み方は自社で決めることになります。動画広告そのものの仕組みはYouTube広告とはにまとめています。

日本の実務者が先に決められること

日本で使えるかどうかがヘルプから読み取れない以上、待つしかない部分はあります。それでも、待っているあいだに決められることがあります。

一つ目は、ブランド検索を自社ではどう定義するかです。社名、サービス名、略称、よくある誤表記まで含めるのか。brand mapping の設定を依頼する段になって初めて考え始めると、その場で思いついた範囲で決まります。先に一覧を作っておけば、依頼の内容も、あとで数字を読むときの前提も同じものになります。

二つ目は、突き合わせる相手を決めておくことです。Google Search Console の検索パフォーマンスレポートでは、クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位を検索クエリ別に見られると公式ヘルプに書かれています。自然検索の側でブランド名のクエリがどう動いたかは、広告側の数字とは別の経路で取れます。同じヘルプには、一覧に出ている検索語で実際に検索しても自分のサイトが出てくるとは限らない、という注意も書かれています。2つの数字は同じものを測っていません。並べて見るときは、その前提を資料に書き添えておく必要があります。

三つ目は、報告の形です。「All conv.」列をそのまま合計として出している資料があるなら、この項目が入る前に内訳を分けておきます。あとから分離するより、入る前に決めておくほうが確実です。増えた数字の説明を求められてから列の定義を調べ直す、という順番を避けられます。

ブランド検索の計測を使う前に社内で確認する6項目のチェックリスト
ヘルプの記載から、提供を待つあいだに社内で決められる項目だけを並べ替えたものです。実施の効果は運用によります。 出典:Google 広告ヘルプ「Measuring branded searches」(確認日 2026-09-08)

公表されていないこと

確認できなかったことを残します。日本での提供可否と提供時期は、ヘルプに記載がありません。対象となる国や言語の一覧も見当たりませんでした。brand mapping を依頼できる条件、たとえば出稿の規模やアカウントの区分についても記載がありません。

効果に関する数値も公表されていません。この項目を使い始めた広告主の数、ブランド検索がどれだけ増えたかといった値は、ヘルプにありません。したがって、この項目を有効にすればブランド検索が増える、という言い方はできません。増減を数えるための仕組みであって、増やすための機能ではありません。

計測の細部にも未記載があります。同じ人が7日のあいだに複数回検索した場合の数え方、除外したい検索語の指定方法、データの保持期間については、ヘルプの記載から確認できませんでした。窓の長さを変えられるかどうかについても、断定できる記述を確認していないため、ここでは触れません。

出典と注記

この記事は、Google 広告ヘルプ「Measuring branded searches」、同「About conversion measurement」、Google Search Console ヘルプ「Search performance report」を出典としています。いずれもプラットフォームが自ら公開している一次情報です。仕様は改定されるため、実際に設定を依頼する前に、各ヘルプの現在の記載を確認してください。確認日は2026年9月8日です。機能と条件の記述は原文の表記に沿っており、単位の換算や数値の補完はしていません。成果を保証する記述は含みません。海外の動きは海外マーケティング最前線に集めています。

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