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Plausible Analyticsとは|料金と自前運用の条件を公式情報で整理

EU拠点の独立系アクセス解析Plausible Analyticsを公式サイトの記載だけで整理します。月間ページビューで決まる料金、取得する項目と取得しない項目、自分のサーバーで動かすときに外れる機能、日本から使う前に自社で確かめる点まで。

Plausible Analyticsとは|料金と自前運用の条件を公式情報で整理 - 株式会社セイビー

GA4以外のアクセス解析を探すと、候補に挙がるサービスの1つが Plausible Analytics です。EUに拠点を置く会社が運営し、ソースコードをAGPLv3で公開していて、Cookieを使わずに計測すると公式サイトに書かれています。料金は、月間1万ページビューの段で月9ドルからです。

この記事は、Plausibleの公式ページに書かれていることだけを使って、4つの点を整理します。何を計測して何を計測しないのか。料金は何で決まるのか。自分のサーバーで動かすと何が外れるのか。そして、日本の会社が導入を決める前に、公式ページの記載だけでは決まらない項目は何か。

金額は公式サイトの表記どおり米ドルで書き、日本円へは換算していません。為替で変わるためです。料金と機能の対応は、料金セクションで月間1万ページビューを選んだときの表示にもとづいています。確認日は2026年9月4日です。

Plausibleを運営しているのは、EUの10人の会社

計測ツールは、いちど入れると数年単位で使い続けるものです。機能の前に、それを作っている会社の形を見ておく価値があります。Plausibleは、この部分を公式のAboutページに数字で出しています。

書かれているのは次の内容です。Uku Tahtが2018年12月に開発を始めたこと。現在は10人のチームであること。外部投資家を入れておらず、自己資金で黒字だとしていること。有料で使っている契約が20,000を超えていること。2022年に年間経常収益(ARR)が100万ドルを超えたこと。そして、ソースコードをGNU Affero General Public License Version 3(AGPLv3)で公開していることです。所在については、Aboutページに「EUに拠点を置く独立系のオープンソース解析会社」、データポリシーのページに「エストニアで登記されている」と記載があります。

Plausible公式Aboutページに記載された5つの数値。2018年12月の開始、10人のチーム、20,000を超える有料契約、2022年に超えた100万ドルのARR、AGPLv3のライセンスを並べた図
公式のAboutページに書かれている数値だけを並べたものです。ページに更新日の表示がないため、いつ時点の数値かは記載がありません。 出典:Plausible「About」(確認日 2026-09-04)

10人の会社に自社の計測基盤を預ける、という言い方をすると不安に聞こえます。ただ、この会社の場合はもう1つ材料があります。ソフトウェア本体がAGPLv3で公開されているため、仮に契約を続けられなくなっても、同じソフトを自分のサーバーで動かし続ける道が残っています。この「逃げ道の有無」は、クラウドサービスを選ぶときに普通は手に入らない条件です。実際に何が使えて何が使えなくなるのかは、記事の後半で扱います。

なお、Aboutページには更新日の表示がありません。ここに挙げた数値がいつ時点のものかは、公式ページに記載がありません。契約者数やARRは動く値なので、この記事では「そう書かれている」以上の意味を持たせていません。

取得しているのは6項目、Cookieは使わない

Plausibleのデータポリシーは、収集する項目を列挙しています。ページのURL(ホスト名とパスのみで、URLのクエリはキャンペーン計測用のものを除いて破棄する)、リファラー、ブラウザ、OS、端末の種類、そしてIPアドレスから判定した国・地域・市の6項目です。ブラウザとOSはユーザーエージェントから判定したうえで、ユーザーエージェント自体は破棄すると書かれています。

Plausibleが取得している6項目と、取得も保存もしないと明記している5項目を左右に並べ、IPアドレスの扱いを下部に示した比較図
左が収集すると書かれている項目、右が収集・保存しないと書かれている項目です。下の帯は、IPアドレスをどう扱うと説明されているかを示しています。 出典:Plausible「Data Policy」(確認日 2026-09-04)

反対に、収集しないと明記されているものもあります。Cookie、ブラウザキャッシュ、ローカルストレージを使わないこと。永続的な識別子を作らず、個人を特定できるデータを収集・保存しないこと。端末をまたぐ追跡も、サイトやアプリをまたぐ追跡も行わないことです。

では訪問者をどう数えているのか。ポリシーには計算式が載っています。hash(daily_salt + website_domain + ip_address + user_agent) というハッシュを作り、このソルトは24時間ごとに入れ替えて削除する、という説明です。IPアドレス自体は保存されません。

ここは機能の説明であると同時に、制約の説明でもあります。ソルトが毎日消えるということは、昨日の訪問者と今日の訪問者を同じ人として結び付けられないということです。数か月にわたる同一ユーザーの行動を追う分析や、端末をまたいだ計測は、設計上できません。「プライバシーに配慮している」と「長期のユーザー単位の分析ができない」は、同じ設計の表と裏です。

公式サイトは、Cookieを使わず個人データを収集しないため、GDPR・CCPA・クッキー法に準拠しており、解析のための同意バナーは不要だと説明しています。この記載が対象にしているのは、あくまで欧米の法令です。日本の法令にどう当たるかは、この記事の後半で改めて触れます。

Plausible公式ページ「Data Policy」のファーストビュー
引用キャプチャPlausibleの公式ページ「Data Policy」。記事で扱っている収集項目と、IPアドレスを日次ソルト付きのハッシュにする説明がここに記載されています。 出典:Plausible Analytics「Data Policy」(公式ページ)(確認日 2026-09-04/表示のファーストビュー)

料金は、サイト数ではなく月間ページビューで決まる

料金セクションの見出しは「Traffic based plans that match your growth」です。プランの段が上がる基準はサイト数でも人数でもなく、月間ページビューだと分かります。無料トライアルは30日で、クレジットカードは不要と書かれています。年払いにすると2か月ぶんが無料になる、とも記載されています。

下の表は、月間1万ページビューを選んだときに表示される内容です。

プラン 月額(月間1万ページビューの段) サイト数 チーム データ保持 主な追加要素
Starter 9ドル 1サイト 記載なし 3年 ダッシュボード、メール・Slackレポート、Googleアナリティクスの取り込み、目標とカスタムイベント、保存済みセグメント、注釈
Growth 14ドル 最大3サイト 最大3人 Starterの内容を含む チーム管理、共有リンク、ダッシュボードの埋め込み、セグメントと注釈の共有
Business 19ドル 最大10サイト 最大10人 5年 カスタムプロパティ、Stats API(毎時600リクエスト)、Data Studioコネクタ、EC収益のアトリビューション、ファネルとユーザージャーニー、統合ビュー
Enterprise 個別見積もり 10サイト以上 10人以上 5年以上 Stats APIの上限拡大、Sites API、シングルサインオン、マネージドプロキシ、生イベントデータの定期エクスポート、優先サポート

出典:Plausible Analytics 公式サイトの料金セクション(確認日 2026-09-04)

表を縦に見ると、同じ1万ページビューの段でも金額が3つに分かれていることが分かります。分けているのは、扱えるサイトの数、招待できる人数、さかのぼれる年数、そしてAPIやファネルといった機能です。つまりPlausibleでは、価格は「どれだけ見られているか」と「どこまでの機能と規模が要るか」の掛け合わせで決まります。

自社がどの段に当たるかは、条件から機械的に絞り込めます。サイトが1つで、見るのが自分だけならStarterの範囲です。複数サイトを持っていて、ダッシュボードを社内やクライアントと共有したいならGrowthから。データを他のツールへ持ち出す、あるいはファネルやEC収益の分析を使うならBusinessが最小の選択肢になります。これは編集部の順位付けではなく、公式ページに書かれた提供範囲をそのまま条件にしたものです。

1万ページビューより上の段の金額は、この記事では確認していません。料金セクションはスライダーで段を切り替える形式で、確認したのは既定で表示される1万ページビューの段だけだからです。自社の実際の月間ページビューでいくらになるかは、公式ページのスライダーを動かして確かめてください。

さかのぼれる期間は、GA4の設定と単位が違う

保持期間はプラン表に出てくる項目ですが、GA4と単純に並べると読み違えます。GA4のヘルプに書かれている内容と一緒に並べておきます。

項目 Plausible GA4(Googleアナリティクス)
標準の保持期間 Starter・Growthは3年、Businessは5年、Enterpriseは5年以上 イベントデータは2か月または14か月
さらに長い設定 Enterpriseで5年以上と記載 26か月・38か月・50か月はアナリティクス360のみと記載
保持期間の影響範囲 参照した料金セクションに記載なし データ探索とファネルのレポートに影響し、標準の集計レポートには影響しないと記載

出典:Plausible Analytics 公式サイトの料金セクション、Google アナリティクス ヘルプ「データ保持期間」(確認日 2026-09-04)

この表は、どちらが優れているかを示すものではありません。GA4の保持期間の設定は、探索やファネルのように利用者単位・イベント単位でさかのぼる分析に効くもので、標準の集計レポートには影響しないとヘルプに明記されています。一方Plausibleの3年・5年は、プランに含まれる保持年数として書かれているものです。同じ「保持期間」という言葉でも、影響する範囲の説明が違います。並べるときは、数字の大小ではなく、自分がどの分析をどこまでさかのぼりたいのかで見てください。

自分のサーバーで動かすと、無料になる代わりに外れるもの

Plausibleには、自分のサーバーで動かすCommunity Editionがあります。ライセンスはAGPLv3またはそれ以降のバージョンです。ソフトウェア自体の料金はかかりませんが、公式ページはサーバー、CDN、バックアップなど、インフラの運用にかかる費用は自分で払うことになると明記しています。

外れる機能も具体的に書かれています。

項目 クラウド版 Community Edition(自前運用)
ソフトウェアの料金 月間ページビューに応じた月額 かからない
インフラの費用 料金に含まれる サーバー・CDN・バックアップなどを自分で負担
使えない機能 なし ファネル、ユーザージャーニー、EC収益ゴール、シングルサインオン、Sites API
ボットの除外 高度なフィルタリング。既定でデータセンターのIPレンジを約32K除外すると記載 ユーザーエージェントとリファラースパムドメインをもとにした基本的なフィルタリング
更新の頻度 週に複数回 年2回
サポート プランに応じて提供 コミュニティによるサポートのみ

出典:Plausible Analytics「Self-hosted web analytics」(確認日 2026-09-04)

公式ページは、機能を制限している理由を「プロジェクトを長く続けられるようにするため」と説明しています。有料プランの収入で開発を支える構造なので、収益に直結する機能はクラウド版に残す、という組み立てです。

自前運用を検討するときに見落としやすいのは、機能の一覧よりもボット除外の差のほうかもしれません。クラウド版はデータセンターのIPレンジを約32K除外すると書かれているのに対し、Community Editionはユーザーエージェントとリファラースパムドメインを見る基本的なフィルタリングだけです。除外の精度が違えば、同じサイトでも数えられる訪問数が変わります。自前運用は「同じものが無料で手に入る選択」ではなく、「運用と数値のブレを引き受ける代わりに料金を払わない選択」だと考えたほうが実態に近いはずです。

計測スクリプトの大きさは2.5KB

Plausibleは、スクリプトの軽さを比較ページで数値にしています。

計測スクリプトの大きさの比較。Plausibleの2.5KB、Google Analyticsの135KB、タグマネージャーと同意バナーを含む合計285KB超を横棒で比べた図
3つの数値はいずれもPlausibleが自社の比較ページに載せているものです。285KBを1000pxとした比例表示のため、2.5KBの帯は9pxしかありません。 出典:Plausible「Lightweight web analytics」(確認日 2026-09-04)

ページには、Plausibleの計測スクリプトが2.5KBであること、Googleアナリティクスのスクリプトはgzip後で135KBであること、その差は54倍であることが書かれています。さらに、多くのサイトはタグマネージャーとCookie同意バナーも読み込むため、合計は285KBを超えると説明しています。読み込みの順序についても、ページの描画が終わってから読み込む設計だとしています。

ここで注意したいのは、3つの数値がすべてPlausible自身の比較ページに載っているものだという点です。自社に有利な比較になるのは当然なので、この記事では出所を明示するにとどめます。自分のサイトで実際にどれだけ変わるかは、導入前後のCore Web Vitalsを測って確かめる項目です。

日本から使うときに、公式ページだけでは決まらないこと

ここまでは公式ページに書かれていることでした。日本の会社が導入を決める前には、書かれていない側も見ておく必要があります。

支払いは米ドル建てです。月9ドルという金額は変わらなくても、日本円での負担は為替で動きます。データの置き場所も条件になります。Plausibleは訪問者データをEU域内の、欧州企業が所有するインフラで処理・保存すると書いています。裏を返すと、データを国内に置くことが要件になっている組織では、この時点で候補から外れます

同意バナーの扱いも、そのまま日本へ持ち込めません。公式ページが準拠を挙げているのはGDPR・CCPA・クッキー法で、日本の電気通信事業法や個人情報保護法の下でどう扱われるかは、参照したページに記載がありません。この記事も法的な判断はしていません。自社サイトの性質に応じて、社内の担当部門や専門家に確認してください。

契約の条件を公表値だけで読み解く作業は、海外サービスを使うときには繰り返し出てきます。当サイトでは、成果の件数で課金するAIエージェントを扱った成果課金の記事や、投資額と持分の対応を読んだ海外アクセラレーターの出資条件でも同じ読み方をしています。海外の事業とサービスの動きは海外ビジネスにまとめています。

この記事で確認できなかったこと

正確を期すために、公式ページで確認できなかった項目を残します。

月間1万ページビューより上の段の金額は確認していません。料金セクションはスライダー形式で、既定表示の段だけを読んでいます。返金保証の有無についても、参照した料金セクションには記載がありませんでした。Growthプランのデータ保持年数は「Starterの内容をすべて含む」という書き方で、年数そのものは個別に書かれていません。

日本語のインターフェースやサポートの有無、日本国内での導入実績、サポートの応答時間も、参照した5ページには記載がありません。Aboutページの数値についても、いつ時点のものかは書かれていません。

そして、この記事はPlausibleとGA4の優劣を比べたものではありません。並べたのは保持期間の記載だけで、レポートの構成、広告との連携、機械学習による推定といった領域には触れていません。比較の続きは、自社が何を測りたいのかを決めてからのほうが早いはずです。

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